2007年10月

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紅いろの薔薇

Date
2007-10-29 (月)
Category
clothes

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ボンネットが座らないので、帽子部分の内側にニットを畳んで丸めて入れてみたけれど、角度が微妙でボンネぽく見えなくて残念だ。
こういうのってみんなどうやって写真を撮るんだろう。
イノワのボンネは微妙に後ろに転んでしまったけれど、なんとなくそれっぽく撮れた。Kaleido Waltzさんのボンネは座りがよくて比較的思い描いていたように撮れた。けれどメアリのボンネは難しい。ブリムがくるっとまわってうなじの後ろまでいって一周して帽子のつばみたいになっているので、トルソーにうまくひっかかってくれない。

落ちてきそうな空のなかで

Date
2007-10-28 (日)
Category
香水と化粧品

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雨の中所用で吉祥寺に行った。
妹に書類を持参願うついでに、「名作オペラブックス」の「さまよえるオランダ人」と「トリスタンとイゾルデ」を回収してきてもらった。
今更の感があるが、以前いただいたオランダ人のDVDを人に見せるため、予習の必要が生じたのだ。
トリスタンは「復習」的な。
#トリスタン、のあとに、「復讐」と第一変換するこの辞書はわたしの方角をただしく見誤っている(笑

で、買い物の結果。
壊滅的にピントの位置がおかしい件については見なかったことにしていただけると助かります。

IGNIS
・ヘヴンスイッチ
・ハーバルコンフォートミルク
・クレンジングオイル

イグニスの新ラインは容器が可愛くて幸せ。
こういう毎日使うものは、飽きが来なくて可憐でシンプルな容器に入っているのがいい。

灰色と桃色

Date
2007-10-26 (金)
Category
clothes

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グレーだと黒とあわせるよりもふんわりした優しい感じになるね。

ところで先日ご紹介した「山田さん」ですが、昨日無造作にベッドの上に置いておいたところ、
家主先生が無造作に羽根布団をはねてころりと転がられまして
かわいそうなお姿になってしまいました……2代目は今月のカレンダーの人ですね……もうすぐ切り離すし……

山田さん

Date
2007-10-25 (木)
Category
clothes

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山田暢久、というサッカー選手をご存知だろうか。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いでACLもリーグ戦も勝ちつづけている、浦和レッドダイヤモンズの選手だ。この日記を読まれている方々には縁薄い世界かもしれないが、いろんな意味で生きる伝説のような選手である。もしご興味を持たれたなら「山田 タリー」で検索をかけてみられると、彼の愛すべき一面と選手としての底知れなさの片鱗を垣間見ることができると思う。

服の話しかしていないこのblogで、しかも服カテゴリで話をしているのに、どうしてサッカー選手の話があがるのか、不思議に思われる方も多いだろう。ましてや山田さんのことを知ろうとして検索をかけて辿り着かれた方には申し訳ないばかりだ。けれど今日は、昨日の試合の余韻を感じつつ、しかし服の話しかしない。

以下、最近のコーデ写真の足許が気になられた方のみどうぞ(笑

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だいぶ前のことになるが、コーデ写真を撮っている友達の何人かに「靴下の中身をどうしているか」を聞いたことがある。「硬めのテクスチャのビニール袋を丸めて入れている」「服を包んでもらうような薄紙を丸めてつめている」等、いろんな方法があるのだなあと思った。
で、わたしがいま取っている方法は「そこそここしのある紙を筒状に丸めて入れている」。
その紙の筒2本セットのことをわたしは「山田さん」と呼び習わしているのだ。

当初、何かいい紙はないか、と家中を見回したとき、たまたまそこに山田さんがいた。剥がし忘れていたカレンダーの先月の紙だ。サイズもおあつらえ向きに大きくて、紙のコシもある。どうせ捨ててしまう紙だし、このまま打ち捨ててしまうのも惜しくて(山田さんだから)、剥がして半分に切ってみた。
半分にしたらたまたま山田さんの腕が見切れて、本体とキャプテンマークが左右に分かれてしまったが、それはそれで「どちらも山田さん」だ。2つ1セットで使うのだから問題ない。ギドと山田さんとキャプテン指名のエピソードに(腐女子的に)こころときめかせたわたしにとって、「山田さんとキャプテンマーク」は今や簡単に切り離せない。

この「山田さん」、意外と便利だ。細く丸めて靴下の中に入れ、手を離すとするすると戻って靴下をほどよく広げてくれる。中の刺繍や編み込みの糸にひっかかることもそうそうなく、快適に利用している。


「山田さん」の話をしようとここ数日思っていたけれど、今日まで待ってよかった。
次も勝って、世界へ。

千鳥格子

Date
2007-10-24 (水)
Category
clothes

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Victorian Maidenの一昨年くらいの千鳥格子のワンピース。
別のものを買うつもりで出かけたのに、試着したら脱ぎ難くなってしまった。シンプルなのにほのかに甘くて、普段使いに重宝している。

幼稚園の頃のお出かけ着のなかでもいちばんのお気に入りは、紺色の千鳥格子のベストがついた紺一色のスリーピーススーツだった。紺のプリーツスカートに千鳥のベストという取り合わせが好きで、とくにベストを愛していた。
ある日母に連れられて出かけたデパートの中で、ワゴンセールにもみくちゃにされているうちにわたしは暑くなってジャケットを脱いだ。脱いだジャケットは母に預けていたのだが、さらに暑くなって自分でベストも脱いでしまった。自分の手にしっかり抱えていたつもりが、いつのまにかベストが消えている。
わたしはあわてて周囲を探し、母に話し、そして店員を捕まえて「こういうベストを探している」と伝えた。わざわざ紙に千鳥の模様を描いて、「チェックなんだけど、普通のチェックじゃなくて、こういう柄で」と説明をした覚えがある。あの頃のわたしにとって「チェック」とはギンガムチェックのことで、この柄を千鳥格子と呼ぶ、と大人になってはじめて知った。
ベストは結局見つからず、気がつけばそのスーツも着られないほどに背が伸び、わたしはベストを紛失したときのやりようのない悲しさも忘却の箱に仕舞っていたが、細かい千鳥格子の服を見るたびに、このJSKを着るたびに、あのベストをなくした日のことと、大好きだった服のことを思い出すのだ。

ついでに「千鳥格子」に厳密に適合するのはハウンズトゥースで、グレンチェックではない、というのはつい数秒前に知った。恥ずかしい。画像のファイル名は見なかったことにしてください……

秋の外出

Date
2007-10-22 (月)

green.jpg green_w_kinari.jpg

日曜日のコーデ。
ほんとはエミキュで行こうと思っていたのだけれど、どうしてもこのボンネットを被りたくてこの服を選んだ。
昔のMetamorphoseのワンピースに、昔のBABYのジャケット。

ボンネットの至福

Date
2007-10-22 (月)
Category
clothes

caramelise_avec_bonnet.jpg bonnet1.jpg bonnet2.jpg

ひとつ前の記事とは時間的に行き違いになるが、先日の土曜日は出遅れつつ「Alamode Market」に行ってきた。だいぶ出遅れていたのでお目当てのサークルさんはほぼ完売状態。けれど最後に残っていたものが、まるで待っていてくれたかのようで、大喜びで連れて帰ってきた。

「Kaleido Waltz」さんのボンネットは、ビーズ刺繍やリボンの仕上げ、ブリムの内側の布張りのくしゅくしゅ感やレースの仕立てが美しく、ひとつひとつに想像を絶する手作業の工程が存在することは想像に難くない。この仕立てのものがあの値段で入手できるのだから、買う側は幸せだ。果たして採算取れてるのかたまに心配になります……

で、この日着て行った服の写真と一緒に撮影してみた。
キャラメリゼ好き。布違い色違い丈違いで一時は3着持っていた位。もし夏裏地で出たらまた買うと思うくらい好き。この服に合うボンネが欲しかったので、舞い上がるほど嬉しい。
ボンネットの製作者の方も「別珍と合わせてほしい」と仰っていたとかで、この日は浮かれて被って帰った。

たまたま友人がこっちに出てくる用があるというので、沈みかけの黄昏を眺めに行こうという約束をしていた。
わたしとその友人は大学以来の親友だ。カネコ服がつないだ縁、といってもおかしくない。まったく属性の違うサークルの見学に回っていたのだけれど、何故か行くところ行くところで彼女と出会う。同じような服が好きだと気がついて以来急速に仲よくなり、現在に至るのだった。いろんな意味で世話になりっぱなしの友人だ。

彼女に以前靴下を大量に頂いたことがある。地元のしまむらで好きそうなものがあったから、と送ってくれたのだ。しまむらがスゴイ、という話は各方面から聞いていたが、生憎わたしの生活圏内にしまむらは存在しなかった。送られてきた靴下を眺めてこれはスゴイと感嘆の域を吐いた。
直接会う機会があるなら、きょうお礼をしよう、と思って入ったSWIMMERで見つけたレースペーパー柄のソーサーのついたカップを購入。しまむら靴下の量とそのあとにもらった台湾みやげの金額を考えると明らかに割に合わない(カップとソーサーのセットが安すぎて)。
だいたいいい年齢の社会人が「しまむらとSWIMMERを贈り合う」などというコント並の珍事、相当なレアケースだと思う。そんな自分たちもわたしは意外と嫌いじゃなくて、つい笑いがこみあげる。

落日の最後の夕暮れの光を見に行きたい、と彼女は言っていた。金子功最後の作品の展示を見に青山に寄りたいと。けれどさまざまな事情が重なって、結局黄昏の旗艦店を拝みに行くのは翌日に持ち越しとなった。水天宮前で食事をするけれどどうする、と問われ、向かうことにした。
たまたまそれと相前後してWWの前を通っていた。聞きしに勝るガラガラぶり。奥の方のトルソーにかかっている服が噂の展示だろうか、とぼんやりと思いながら、何も乗っていない棚を茫洋と眺めて過ぎた。

「キルフェボンの前にいるけど、何か買っていくものある?」
彼女からの連絡待ちのあいだ、たまには行ってみようかな、もう世間様はディナーの時間だし、流石のキルフェボン様でもこの時間なら座れなくもないだろう。そんな下心は見事に破砕された。夜だというのに溢れかえる行列。面食らって踵を返しかけたときに、友達から「WWは明日にします」とメールがやってきたのだった。
カップとソーサーだけでは申し訳ないし、大学時代彼女とふたりでキルフェボンに憧れていたものだ、おみやげに彼女とその彼氏のぶんくらい買っていっても良いのではないか。たまたまその場にいたので、そんな色気を出してみた。
「期間限定がいま栗かなんかだと思うんだよー、栗と、あと苺」
わかりやすいオーダーを受けて店内に入る。注文はあっさりと入った。モンブランが最後の1ピースだった模様。しかしここから待つ、待つ、待つ。
目眩めく行列はことごとくテイクアウトの客。ウェイティングの椅子に座って悶々と20分近く待ったと思う。その間彼女らを水天宮で待たせていると思うと比較的気が気でなかったが、キルフェボンで並んだと言えば「少なくとも彼女は」状況を納得するだろうと思っていた。

WWの前を通りすぎた時にちらっと撮った店内の写メールを見てのけぞる友人。食事をしながらの話題は8割が宝塚。知らない深い世界を扉の隙間から恐る恐るのぞいた気分だ。

大移動のわりにゆっくり時間の流れていた、不思議な一日だった。

うさぎ好き

Date
2007-10-22 (月)
Category
clothes

rabbit.jpg novelty.jpg

うさぎの毛皮が好きだ。去年の冬に出たラビットファーのショートコート? ジャケット? は最初手が出なかったが、セール落ちしてくれたおかげで入手することができた。色は黒。けれどわたしはほんとうはピンクの方が欲しかった。そんな怨念が実ったのか、マフラーをうっかり購入してしまった。

それからレギンス。レギンスはあったかそうだなあ、いちど挑戦してみたいなあ、と思いつつ、どう合わせていいかわからなくて手が出せなかった。馴染みの店員さんにいろいろ相談をして、ようやく踏ん切りがついた。ピンクのJSKとあわせてみようと思っている。

土曜日のあと、人と会う予定があって、時間を潰しにエミキュに寄ってみたところ、日曜にイベントがあるというのでチケットを頂いた。ラフォーレがパリで主催したファッションショー+エキシビジョン、のようなもののフィルム上映があるんだそうだ。エミキュの映像はyoutubeにupされていたものを拝見したはしたけれど、あの画質では何が何やらわからなかったので、高画質なものが見られるなら、と思って出向いたのだけど、結果はがっくり。変なエフェクトが邪魔でゆっくり服を見られない。
「ついでにお店にも遊びに来てくださいね」と言ってくれていた店員さんの顔を見に行こうと思って、帰りにエミキュに寄った。イベントのチケット持参で買い物をするとノベルティでちいさなタオル地のハンカチがもらえるという話を聞いて、それなら、と思ってずっと気になっていたうさぎさんのマフラーとレギンスを購入、という流れだった。

二枚目の写真がそのノベルティ。地味かわいくて、こういうものは何枚あっても困らないので、とても嬉しい。

「ここでは死が荒れ狂う」

Date
2007-10-18 (木)
Category
clothes | 音楽の話

calamelise.jpg

座席は3階席の前から2列目だという。迂闊にアップスタイルにしたりリボンカチュつけて高さが増したり、淡い色のヘッドドレスが照明の落ちた客席で残像になるのも避けたくて、「着いたら外すのが自然な髪飾り」を検討した結果、わたしの回転数の遅い脳では「ボンネット」しか思いつかなかった。

オペラ──あれをそう呼ぶと多分原作者が草葉の影で怒る──を観にいくのにコットンの平服だったのにも理由がある。長大な作品だからなのか、公演はマチネ。夜暗くなってから劇場に着くようなスケジュールであれば、この日限りを覚悟にJulietteの華やかなローブを買うことも考えた。けれど開幕は15時。おとなしくおでかけ着で行こうと結論を出した。それでもメイデンのボルドー色したロングバッスルのワンピに華やかなネックレスを着けて髪を巻くか、メアリのキャラメリゼワンピにブラウスインで行くか、少しは迷ったのだが、前者だと流石に浮くか、マチネにデコルテのあいたドレスを着ていく人などいないだろう、と後者に決定。前者の服に合わせるよさげなストールや(着いたら脱げるような)帽子がなかったのも後者にした理由のひとつでもある。

ボンネットは個人制作の一点もの。製作者の「Kaleido Waltz」さんは、今週末土曜日(20日)に行われるロリィタ服・服飾小物の展示即売会に出られるということで、興味のある方は是非足を運んでいただきたい。


↓以下、服好きの方にはあまり関係のない「ドイツのエロオペラ」に関する無駄語り。

で、本題。
愚痴を飛ばしてインプレッションだけ読みたい、という方はこちらへどうぞ。このページ内のインプレッションの記事に飛びます。


お誘い頂いたのはことしの1月。「クプファー演出、バレンボイム指揮」と言われて一も二もなく飛びついた。
前日になるまで楽団も歌手もきちんと覚えていなかった。前日人に問われて「えーっと、ベルリン国立歌劇場か、ベルリン・ドイツ・オペラかどっちか」と茫洋と答える始末。これは基礎教養だと思うが、クプファーと言われたらベルリン国立歌劇場と考えるのが普通なようだ。

しかも1月から考えるとゆうに10ヶ月あったはずだから、その間に予習はしこたまできたはず。しかも演目が演目なのだから、手持ちの資料でかなり深い予習ができたはずだ。友社が昔出していた「名作オペラブックス」、Dover社のフルスコア、Peters社のヴォーカルスコア、全曲版録音2指揮者ぶん、そして高辻知義氏翻訳の新書館の挿し絵入りの本と比較的新しいリブレットの対訳。原作の原作はゴットフリート・フォン・シュトラースブルクのものと、トマ・ド・ブルターニュの研究者ベディエによる岩波文庫のもの、それからサー・トーマス・マロリーの新訳もあった。これだけアホみたいに揃えておいて、それらすべてがすぎなみに置き去りのまま放置、とはいったいどういうやる気のなさなのか。
一週間前から「予習しなくっちゃ〜」とゆるい寝言を言いつつ、リブレットすら読まないていたらく。せめて手許にあった高辻知義氏のペーパーオペラシリーズのアレくらい目を通しておくべきだった。おかげさまで途中字幕に目が吸い寄せられて困った。ブランゲーネの重要なしぐさをいちどそれで見落としてしまったかもしれない。


ゼロ予習で「トリスタン」に挑むのは、電気GROOVE風に言うなら「新築祝いに手ぶらで挑む」級の無謀だと思っていた。しかも演出はハリー・クプファー。それこそ中学生高校生の頃から憧れつづけていた演出家の舞台が生で観られるこの好機に、ただでさえも要素の多い舞台作品。全容をきちんと把握した上でクプファーの意図をすこしでも多く肌で感じたかった。「これはト書きの指示なのかクプファーの機転なのか」を考える時間は最も惜しい。リブレットを理解し、スコアを把握して、重要なライトモティーフは全暗譜で挑むくらいでないと、ライトモティーフと役者のしぐさや照明の大事なリンケージを見落としてしまう。それがうっかり、ゼロ予習とは。

もちろん物語の筋も知らずに観に来るのは素晴らしいことだと思う。初めて聴く音楽に圧倒されて帰るのも素晴らしいことだと思う。しかしわたしは違った。それこそ年齢がバレる位聴き込んでいる、何度も何度も繰り返してリブレットもスコアも読んでいる、副読本で初演指揮者の可哀想っぷりから初演歌手の悲しいエピソードまでがっちり押さえてるくらいの自他共に認める「ヲタク」なのだ。わたしにとって最も舞台を楽しめる筈の鑑賞方法を、わたしは自分の手で放棄したのだった。アホにも程がある。

足取りも重く、ランチをご一緒する予定だったのに、予定より30分押しで家を出た。頭の中では電気GROOVEが流れている。もちろん「スコアも読まずにクプファーに挑む」とかいう情けない歌詞だ。

ト書きどころか台詞部分に書かれている項目をあげて「これがわかってる演出するなんてクブファーは流石だねえ」と寝言を言う同行者がリブレットをいちども読んだことがなかった、と知ったのは一幕が終わってからだった。


で、インプレッションレポート。

巨大な天使の像。多分あれは「愛の女神」とやらなのだと思う。頭を抱えてうずくまっている半身が見える。片方の翼は無残にも折れ、残骸が腰の辺りに残っている。折れた方の翼の下には椅子とも寝台ともつかぬものがあり、もう片方の翼は広げられ伏せられていた。舞台奥には白い光を漏らす太いスリットがあり、その光に象られたいくつかの墓石のシルエット。
それが舞台の上の全てだった。
この白い光のスリットはどうやら物理的な「昼」と「夜」を示すようで、第一幕と第三幕は白く光っていたが、第二幕では消灯されていた。

この女神像に登ったり、翼の上に寝転がったり、翼の下をくぐって退場したり、折れた方の翼の下の台に腰掛けたり寝そべったりして、舞台が始まる。

この舞台装置、「始まる前から終わってます」と言わんばかり、愛の女神様は幕があく前から頭抱えてうずくまってます、すでに翼までもがれちゃってます、といった風で、クリティカルにツボに入った。船の上から痛々しい片思いを抱え合っているふたりの行く末など語るまでもない、とでも言わんばかりに。
ブランゲーネが毒薬と媚薬をすり替えるシーンは、折れた方の翼の下で行われていた。第2幕では同じ場所──折れた翼の下の寝台──で語られたのは「So Sturben wir....」のあたり。この渋いリンケージに息を呑んだ。
第二幕第三幕ではこの女神像がぐるりと回転して舞台が変わる。イゾルデが密会直前に脱ぎ捨てたガウンがマルケさんのやってきた位置と整合して、ガウン見て愕然とするマルケさん、の小技にもしびれるものがあった。
第三幕では女神様の翼の破損個所に赤いライトが当たって、出血する傷口のように生々しく痛々しかった。

続きは余力があったら。

みうみう京ぽん速報。

Date
2007-10-07 (日)
Category
みうみうにっき


外出先よりこんにちは。
本文はさておいて実況ですよ。

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